
屈辱の公立高校合格発表。
そして春休みの勉強。
春休みも明け入学式が行われた。
僕が行くことになった学校は、学力でクラス分けされるというシステムだった。
1年生は入試の成績でクラス分けされる。
その私立入試はかなりの自信があった。
得意の数学は満点の自信あり。
苦手の国語は教科書から出題されていたので問題なかった。
心配と言えば、社会がまだ習っていない分野から出題されたことぐらいだった。
それでも、公立高校の入試で僕は完全に自信を失っていた。
どのクラスになるのか不安だった。
不安の中の入学式だった。
入学式は立派な講堂で行われた。
校長先生の話やらがあったが全く記憶にない。
クラスメイトをそれとなく品定めしていた。
周りのクラスメイトも思っていたかもしれないが、正直言って暗い。
こいつら大丈夫か?と思った。
やばいところに配属されたと心配になった。
それでも隣の生徒と少し話してみることにした。
どうやって話を切り出したのかは忘れたが、記憶に残っていることは3つ。
1つ目は、彼が金沢大学付属中学校出身だったこと。
金沢大学付属中学校と言えば、石川県では名門中の名門だった。
内心、身構えたが次の会話でその気持ちも覆されることになる。
2つ目は、アニメの話だった。
今でも連載されている「ジョジョの奇妙な冒険」についてだった。
ジョジョの奇妙な冒険とは、ジャンプという週間少年雑誌に連載されている漫画である。
僕も、当時毎週欠かさず小4からジャンプを愛読していたので、当然読んでいた漫画だった。
この話題は話しが合った。
この漫画でのキャラクターの話で盛り上がったが、彼のテンションは異常だった。
効果音と情景描写がすさまじかった。
ちょっと変だと思った。
それで気を良くした彼は次の話題へ移るのだが、その話題で僕は疑惑が確信へと。
彼はアニメの声優の話を嬉々として始めたのである。
そう。彼はヲタクだった。
今ではヲタクは世間では受け入れられているが、当時は闇の存在だった。
まずいと思った。
関係をほどほどにしないと、彼のワールドに引き込まれてしまうと思った。
しかし彼の話は止まらない。
結局入学式中彼の話を聞かされた。
入学式が終わった後も、クラスに移動する時も続いた。
ちょっと疲れたが、高校生活で友達も作れたので少しほっとしていた。
だが、僕のクラスはこんなヲタクがいるんじゃとてもじゃないけど、下のほうのクラスだと思った。
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